『手製本、はじめました。』第3回:はじめての手製本、何もかもが新鮮です

2025-06-11

こんにちは。banno.です。
6月になりました。
雨音を聞きながら作業する日も増えて、
工場の空気もしっとり落ち着いています。

もし、ここを訪れてくださった方の中に、
「手で本をつくるって、どういうことなんだろう」
と、ふと考えた方がいらしたら。

決して器用ではなく、
何度も失敗をくり返しながらの日々ですが、
そのなかで少しずつ気づくこともありました。

机に向かい、紙を折って、
糸でとじて、表紙をつける。

本を一冊作るということが、
こんなにも工程が多く、
そして面白いものだとは、思いませんでした。

はじめての作業は、
とにかく「?」の連続です。

「糸、どっちから通すんだっけ?」
「折り目、曲がってない…かな?」
「のり、これつけすぎた…!」

毎日、毎回、心の中で叫んでいます。

そして、まだまだ慣れない手つきで作業をしていると、
「あ、しまったかも」と思う瞬間があります。

そんなときは、落ち着いて、
「実は……」と、先輩に伝えます。

どきどきしながら報告する私に、
先輩はいつも、しっかりと適格に話してくれます。

「ここをこうしておくと、あとで楽になるんだよ」
「この流れが、ちゃんと次につながっていくんだよ」

その言葉に、ほっとします。
ただ直すだけじゃなくて、
どうしてそれが大事なのかを、ちゃんと教えてくれます。
写真①250609

それからは、同じ作業をするたびに、
あの日の声を、そっと思い出します。

私はまだ、はじめての連続だけれど、
お客様にとっては、たった一冊の大切な本。

だからこそ、
目の前の一冊に、精一杯の心をこめて、
少しずつ、お客様の信頼に応えていけたらと思います。

今日もここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また、ここでお会いできますように。
それでは、今日もよい一日を。
banno.

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