『手製本、はじめました。』第3回:はじめての手製本、何もかもが新鮮です
こんにちは。banno.です。
6月になりました。
雨音を聞きながら作業する日も増えて、
工場の空気もしっとり落ち着いています。
もし、ここを訪れてくださった方の中に、
「手で本をつくるって、どういうことなんだろう」
と、ふと考えた方がいらしたら。
決して器用ではなく、
何度も失敗をくり返しながらの日々ですが、
そのなかで少しずつ気づくこともありました。
机に向かい、紙を折って、
糸でとじて、表紙をつける。
本を一冊作るということが、
こんなにも工程が多く、
そして面白いものだとは、思いませんでした。
はじめての作業は、
とにかく「?」の連続です。
「糸、どっちから通すんだっけ?」
「折り目、曲がってない…かな?」
「のり、これつけすぎた…!」
毎日、毎回、心の中で叫んでいます。
そして、まだまだ慣れない手つきで作業をしていると、
「あ、しまったかも」と思う瞬間があります。
そんなときは、落ち着いて、
「実は……」と、先輩に伝えます。
どきどきしながら報告する私に、
先輩はいつも、しっかりと適格に話してくれます。
「ここをこうしておくと、あとで楽になるんだよ」
「この流れが、ちゃんと次につながっていくんだよ」
その言葉に、ほっとします。
ただ直すだけじゃなくて、
どうしてそれが大事なのかを、ちゃんと教えてくれます。
それからは、同じ作業をするたびに、
あの日の声を、そっと思い出します。
私はまだ、はじめての連続だけれど、
お客様にとっては、たった一冊の大切な本。
だからこそ、
目の前の一冊に、精一杯の心をこめて、
少しずつ、お客様の信頼に応えていけたらと思います。
今日もここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また、ここでお会いできますように。
それでは、今日もよい一日を。
banno.