『製本、はじめました。』第2回:工場の風景
こんにちは。banno.です。
ブログ第2回では、私が日々作業をしている
「工場の風景」についてご紹介したいと思います。
製本といえば、
完成した本の姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、その一冊が生まれる場所には、
静かな熱気や独特のリズムがあります。
毎朝工場へ足を踏み入れると自然と気持ちが引き締まり、
「今日も一つ、丁寧に仕上げよう」
という気持ちになります。
工場には、製本に欠かせない
道具や機械が所狭しと並んでいます。
のり刷毛、針や糸、締め板、締め機、断裁機……。
それぞれの道具たちは決して派手ではありませんが、
確かな役割を果たしています。
工場には、製本を待つ本たちがぎっしりと並んでいます。
それぞれが静かに“本になる順番”を待っているようで、
「この手でちゃんと仕上げたい」
と自然と思わせてくれる風景です。
無心で刷毛を動かす時間は、
周囲の音がすっと遠のき、
自分と本だけの世界に
入っていくような感覚があります。
小さな面積を丁寧に塗り進めるそのひとときは、
まさに静かな真剣勝負。
そして、手を動かしながら
「この本、誰が読んでくれるのかな」と
想像する時間も、私にとっては大切なものです。
また、先輩たちの作業姿を見るのも、
密かな楽しみのひとつです。
それぞれの動きには無駄がなく美しく、
見よう見まねの私には学びの宝庫。
先日も、角背の作業で苦戦していたところを
先輩がさりげなく声をかけてくれて、
手順を一つひとつ丁寧に教えてくれました。
そんなふうに、工房にはあたたかな
“助け合い”の空気が流れています。
真剣に黙々と作業する時間と、
ちょっとほっとする時間。
そのメリハリが、
日々のリズムを作ってくれているように思います。
この工場で過ごす時間は、
まだ始まったばかりですが、
静かで豊かな時間が流れているこの場所が、
私はとても好きです。
さて。ブログのタイトルを決めました。
『手製本、はじめました。』
文字どおり「手で本をつくること」に、
手製本ビギナーのbanno.が挑戦していく記録です。
このブログが、手製本という世界を
少しでも身近に感じられる
きっかけになれば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
banno.