『手製本、はじめました。』 第7回:凛とした空気の中で、指先から冬を掬う

2026-01-09

あけましておめでとうございます。 banno.です。
新しい年が、静かに幕を開けました。

昨年の春に製本の世界へ飛び込み、
早いもので三つの季節が過ぎ去りました。
そして今、私はここで初めての冬を迎えています。

冬の工場で作業をしていると、
指先に伝わる紙の冷たさに驚くことがあります。
春や夏のそれとは違う、芯まで澄み渡るような冷たさ。
その感触に触れるたび、季節が巡ったこと、
そして自分がこの場所に腰を据えて日々を重ねてきたことを、
あらためて実感しています。
写真①
振り返れば、右も左もわからず戸惑うことばかりの毎日でした。
まだまだ覚えることは山積みで、
自分の未熟さに立ち止まりそうになることもあります。
それでも今日までやってこれたのは、
見守り、支えてくださった周りの方々がいたから。

去年の自分には、まだ難しかった工程。
去年の自分には、見えていなかった細かな機微。
今年は、それらを一つひとつ、
自分の「できること」へと変えていきたい。
焦るのではなく、丁寧に、確実に。
新しい一冊を綴じるように、自分自身の経験もまた、
大切に重ねていければと思っています。

まだ何の色もついていない一年の始まりに、
自分なりの手触りや温度を少しずつ残していければと思います。
背筋が伸びるような冬の空気の中、新しい期待を込めて。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

二〇二六年 一月

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