新しい一歩 — 製本の世界へ

2025-05-19

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はじめまして。手製本ビギナーの banno. と申します。
これまで約10年間、事務職として働いていましたが、このたび思い切って製本の世界に飛び込みました。

もともと絵画の修復や寺院の修繕など、古いものを丁寧に直していく作業に興味がありました。
モノに刻まれた時間や歴史を感じながら、それを未来につなげていく仕事に強く惹かれていたのです。

そんな私が「本×修理」というキーワードで検索をしたことが今の職場との出会でした。
読書が好きで、本には昔から親しんでいましたが、「本を修理する」という世界は知りませんでした。
社長のブログを拝読し、本を修理するという事に対して、より興味を持ったのです。

入社してからは、毎日が学びの連続です。
製本にはたくさんの技術と工程があり、一つひとつがとても繊細。
ページを糸で綴じる作業や刷毛を使って糊を塗る時の音、そして背の形によっても仕上がりが変わることなど、日々新しい発見があります。
例えば、「丸背(まるぜ)」と「角背(かくぜ)」。
丸背は丸みを帯びた伝統的なスタイルで、使い込まれた本に多く見られます。
角背は背が直線的で現代の本に多い形です。
はじめは何が何だかわからなかった両者の違いも、日々の作業をこなす過程でその違いを理解することで、本の個性や歴史がより身近に感じられるようになりました。
時間をかけて仕上げた一冊が形になったとき、静かな達成感と安心感、そして手のひらになじむような愛着がじんわりと湧いてきます。

工場での作業は慣れないことも多いですが、職場の先輩たちが丁寧に教えてくれて、毎日助けてもらっています。
わからないことや困ったことを気軽に相談できる環境があることは、とても心強いです。

これからこのブログでは、事務職から製本の世界に転身した私が、学びの中で感じたことや、手製本の魅力を少しずつお伝えしていきます。
※写真

手製本に興味がある方、紙や文具が好きな方、そして本が好きなすべての方に、私の視点でこの世界の魅力が伝われば嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。
banno.

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