『製本、はじめました。』第2回:工場の風景

2025-05-27

こんにちは。banno.です。

ブログ第2回では、私が日々作業をしている
「工場の風景」についてご紹介したいと思います。

製本といえば、
完成した本の姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、その一冊が生まれる場所には、
静かな熱気や独特のリズムがあります。

毎朝工場へ足を踏み入れると自然と気持ちが引き締まり、
「今日も一つ、丁寧に仕上げよう」
という気持ちになります。
写真①250526

工場には、製本に欠かせない
道具や機械が所狭しと並んでいます。

のり刷毛、針や糸、締め板、締め機、断裁機……。
それぞれの道具たちは決して派手ではありませんが、
確かな役割を果たしています。
写真②250526
工場には、製本を待つ本たちがぎっしりと並んでいます。
それぞれが静かに“本になる順番”を待っているようで、
「この手でちゃんと仕上げたい」
と自然と思わせてくれる風景です。

無心で刷毛を動かす時間は、
周囲の音がすっと遠のき、
自分と本だけの世界に
入っていくような感覚があります。

小さな面積を丁寧に塗り進めるそのひとときは、
まさに静かな真剣勝負。

そして、手を動かしながら
「この本、誰が読んでくれるのかな」と
想像する時間も、私にとっては大切なものです。

また、先輩たちの作業姿を見るのも、
密かな楽しみのひとつです。

それぞれの動きには無駄がなく美しく、
見よう見まねの私には学びの宝庫。

先日も、角背の作業で苦戦していたところを
先輩がさりげなく声をかけてくれて、
手順を一つひとつ丁寧に教えてくれました。

そんなふうに、工房にはあたたかな
“助け合い”の空気が流れています。

昼休みには雑談をしたり、
お互いの進み具合を話したり。
写真③250526

真剣に黙々と作業する時間と、
ちょっとほっとする時間。

そのメリハリが、
日々のリズムを作ってくれているように思います。

この工場で過ごす時間は、
まだ始まったばかりですが、
静かで豊かな時間が流れているこの場所が、
私はとても好きです。

さて。ブログのタイトルを決めました。
『手製本、はじめました。』
文字どおり「手で本をつくること」に、
手製本ビギナーのbanno.が挑戦していく記録です。

このブログが、手製本という世界を
少しでも身近に感じられる
きっかけになれば嬉しいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
banno.

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