『手製本、はじめました。』第4回:図書修理講座へ
こんにちは。banno.です。
夏至も過ぎ、暦のうえでは少しずつ夏へ向かうころとなりました。
とはいえ、すでに暑さの厳しい日が続いていますね。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
先日、岐阜県図書館で開かれた「図書修理講座」のアシスタントとして参加しました。
講師は、私たちの会社の社長。
図書館で働く職員(司書)の方々が、本の不具合を自分たちで直せるようになるための講座です。
職員の方々が持ってきたのは、日々たくさんの人の手にふれる図書館の本たち。
背がゆるんでいたり、ページが破れていたり、表紙がはがれていたり――
それぞれに違う症状の本を、社長は一冊ずつ丁寧に見て、瞬時に最適な修理方法を実演されていました。
特に印象的だったのは、社長が使っていた道具たちが、
特別なものではなく、ほとんどが100円ショップなどで手に入る身近なものだったこと。
例えば、のこぎり、BBQ用の串、ゴム刷毛はハガシ(もんじゃ焼きで使用するヘラ)でも代用できるとのこと。
「わざわざ高い専門道具をそろえなくても、身近なもので工夫すれば、本はちゃんと直せるんです」
という社長の言葉に、職員の方同様、私自身も深くうなずくのでした。
私はというと、参加者の方から質問を受けた場面でうまく答えられず、まだまだ勉強不足を痛感……。
でもその悔しさが、もっと学びたい、上達したいという気持ちにもつながりました。
講習中は、社長への質問が途切れることなく続き、
参加者のみなさんの熱心な姿勢がひしひしと伝わってきました。
本を大切に思う気持ちが、そのまま質問の熱意となってあふれているようで、
とても印象的な時間でした。
立場は違っても、
「本を大切に思う気持ち」は、きっと同じ。
そんな気づきと学びがたくさん詰まった、ありがたい一日でした。
これからも、修理という小さな仕事の中で、誰かの読書の時間をそっと支えられるように。
本と人をつなぐ仕事を、ていねいに続けていきたいと思います。
暑さが続く日々ですが、どうぞご無理のないよう、
皆さまお身体を大切にお過ごしください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
banno.